fbpx

 マナー講師 西出ひろ子さんインタビュー

西出ひろ子さんは、日本で有名なマナー講師。幅広いメディアに取り上げられ、企業や個人向けにビジネスマナー、テーブルマナー、服装マナー講座を開かれています。今回、私は幸運にも、前職の同僚を通して西出ひろ子さんをご紹介いただきました。

西出さんのウェブサイトを拝見すると、「Success & Happiness」が強調されていることがわかります。この2つは、「2020年までに2020人がグローバルビジネスで成功し、幸福を得るために必要なコミュニケーション術を身につけるサポートする」という私のミッションでも謳われています。

今回のインタビューの中でも、私の考え方と共通する点がたくさんありました。西出さんには、コミュニケーションでの成功談や苦労を率直に語っていただき、とても楽しいインタビューとなりました。皆さんにもこの記事を読んで、楽しく感じていただければ幸いです。

1. 西出さんは、どのようなコミュニケーターになりたいですか?

相手がハッピーになれるコミュニケーターになりたいですね。みなさんコミュニケーション、コミュニケーションとよく言いますが、日本ではスキルやテクニックといった型ばかりに意識を向けがちです。でも、型だけでは本当の意味でのコミュニケーションにはなりません。型だけのコミュニケーションをしていても、相手が心地よくなるとは限りません。

私はマナーの専門家です。マナーとは、いい表情やいい態度で、相手と自分の両方にプラスを生み出せるようにコミュニケーションすることです。お互いがプラスになれるようにしたいから、相手と自分が同じくらいハッピーになれるコミュニケーターになりたいと思います。

スキルやテクニックだけに集中すると、表情やボディランゲージを忘れがちです。でも、ちゃんと自分のことを伝えたいと思えば、自然に表情やボディランゲージも出てきます。

日本人はスキルだけに頼るから固くなり、自然にコミュニケーションできません。これではヘレンさんが著書「英語の仕事術 – グローバル・ビジネスのコミュニケーション」で仰っている通り、「もったいない」。

 

2. コミュニケーションの成功例を1つ教えてください

最近の話ですが、スタッフの1人が60歳になり、身体もきついので仕事を辞めたいということになりました。このスタッフは優秀で、会社にとっても私個人にとっても重要だったので、会社にいてほしかったんですね。でも彼女は「辞めたい」ではなく、「辞める」と断定的に言ってきました。

これに対して頭にきたり、腹を立てるのは簡単です。私も人間ですからマイナスの感情を抱き、以前は怒ったりしていました。でも、それではお互いがマイナスになるだけです。まずは相手に共感すること。今回の件だと60歳になり、身体がきつくて働くことが難しくなったわけです。

ですから私はまず共感からスタートして、その上で自分の気持を正直に伝えました。そのスタッフがいなくなると困ると言い、「もしできれば」というクッション言葉を使って、スポットでいいから、毎日出勤しなくてもいいから仕事を続けてほしいと話しました。そして、このまま一緒にやっていってもらえると嬉しいと伝えました。

すると相手から、自分のことをわかってくれてありがとうございます、わがままですみませんでしたと言われました。そして、スポットでよければ先生の言うとおりにしますという返事がきたのです。

それで、私はとても嬉しくなりました。彼女が完全に辞めてしまうと思っていたからです。これこそさっきからお話している、お互いがプラスになるためにコミュニケーションはあるという例です。最初は自分にとってマイナスなコミュニケーションを取られても、お互いがプラスになれる結果を出す。それが大事だと改めて思いました。

コミュニケーションとは共感すること、正直に話すこと、そしてお互いがプラスになれる結果を出すことです。

 

3. では、コミュニケーションの失敗例をお聞かせください。

昔、相手の意見が自分と違うことがあったのですが、その時の私には相手の言い分を理解しようとする気持ちがありませんでした。これが原因で、相手とマイナスな関係になってしまって、最終的には訴訟に発展してしまいました。

スタートは些細なことでした。私は嘘をつかれるのがとても嫌いです。相手が明らかに嘘をついているなと思ったので、それを追求してしまったんです。相手は嘘を隠したいから、話がコロコロ変わる。私は相手の気持ちを理解しようともしませんでした。でも法的にはどうなのかというと、相手に非はないと言われてしまったんです。私が共感していれば、その人は嘘をつき続けなくてはいけないと思うこともなかったのに。

 

4. 今、ご自分のコミュニケーションの課題とは何ですか?

色々経験して学んできた結果、今はコミュニケーションが順調にいっていると思います。ここに至るまでには、失敗もたくさんありました。でも、失敗をマイナスに捉えずに、プラスに考えることが大切です。

常に、心を開いておくこと。挨拶という漢字の「挨」には、心を開くという意味があります。だから「初めまして」「こんにちは」「おはよう」と言う時は、自分の心の扉を開いておかなければなりません。でも、みんな初めて会うから「初めまして」と言う、朝だから「おはよう」と言うものだと思っています。それは形だけを追っかけていて、中身を伴っていません。

挨拶の本来の意味を理解した上で、コミュニケーションを取ることを意識すべきです。私はこれを常々意識していたら、とてもいいコミュニケーションを取れるようになりました。

 

5. ブログの読者にコミュニケーションスキルや情報源、アドバイスをお願いします

コミュニケーションに苦手意識を持っていたり、怖いと思っていたら、勇気を出すことが大事です。先ほどお話したように、コミュニケーションとは自分の心の扉を開くことです。でも、みんな自分の心の扉を開かずして、相手には開いてもらいたいと思っています。まずは自分から開きましょう。

自分が勇気を持って最初の一歩を踏み出し、心の扉を開いてみたら、結果はプラスに変わってきます。これは私自身も経験しているので、是非勇気を持って進んでいただけると嬉しいです。

 

6. 最後に何か言いたいことは?

私はマナーのあるコミュニケーションを取って、お互いがハッピーになりましょうと伝えています。昨年、日本では、企業でストレス度チェックが義務化されました。やはりストレスを溜めている人が多いんです。

ですから、ストレスを溜めない職場づくりのために、「マナーリトミック」を、開発しました。これは音楽療法とリトミックの手法を使っています。(リトミックとは、20世紀初頭にスイスの作曲家であり、音楽教育者でもあったエミール・ジャック=ダルクローズが考案し、動きを使ってリズム、構成、音楽表現を教える方法。)リトミックは、コミュニケーション能力を発達させます。集中力と協調性も養成します。音楽療法は、人の心を癒やします。そういった要素を取り入れながら、コミュニケーションを取る手法を開発しました。すごく楽しいですよ。コミュニケーションは楽しむものです。この動画を販売する予定ですので、ご興味を持っていただけると嬉しいです。

MR写真5