ポッドキャスト収録で話した、ちょっとした意識の変え方
7月15日が「National Give Something Away Day(何かを手放す日)」だったこと、ご存じでしたか?
実はその日、私は英国商業会議所(BCCJ)とのコラボレーションによる Matcha with Jason Podcast のライブ配信でインタビューを受けました。
そこで話したテーマは、「より良いリーダーになり、より良くコミュニケーションするために、何を手放すか」。
昔からの習慣や思い込み、自分で自分にかけている制限…。そんなものを手放すことで、もっと自然体で、自分らしく力を発揮できるようになる。そんなお話をしました。
その中でも、特に印象に残った5つのポイントをご紹介します。
1. 「できない」は、本当は「やらない」かもしれない
この考え方を聞いて、大きく背中を押されたことがあります。
私たちは「できない」と言いう時、実際には「やらない」という選択をしていることが少なくありません。
もちろん、本当に物理的にできないこともあります。
でも、話すことやリーダーシップ、自信について自分で決めてしまっている限界の多くは、「事実」ではなく「自分の選択」です。
それに気づいた瞬間、「自分には選ぶ自由がある」と思えました。
選択肢があるということは、自分で未来をつくれるということ。状況に振り回されるのではなく、自分で舵を取れるようになります。
2. 自信は実践力から、実践力は練習から生まれる
「自信がある人とない人がいる」と思っている方は少なくありません。
でも、自信は生まれつきのものではありません。
最初は自信がなくても、自信があるように話したり行動したりすることはできます。
そして、その姿勢に対して相手から良い反応が返ってくると、「できた」という実感が積み重なり、本当の自信へとつながっていきます。
この好循環は、自分で始めることができるのです。
3. 「パンチのある」コミュニケーションとは
私は空手の世界チャンピオンでもあります。
空手で学んだことの一つは、力みすぎた突きよりも、リラックスして素早く打つ突きのほうが威力があるということです。
これはビジネスコミュニケーションも同じです。
不要な身体的な負担(働きすぎ)、頭の負担(考えすぎ)、心の負担(人の目を気にしすぎること)を減らすほど、相手にはより伝わります。
「頑張りすぎない」のは手を抜くことではありません。より大きな成果を生み出すための戦略なのです。
4. 「あえて異論を言う役」を決めてみる
日本もイギリスも、「調和」を大切にする文化があります。
だからこそ、会議では異論を言いにくいものです。
そこで私がおすすめしているのが、「チャレンジャー役」を決めること。
その人の役割は、「ちょっと待って。もう他に検討するべき点はないでしょうか?」などと問いかけることです。
実際、この方法は何度も効果を見てきました。
普段なら反対意見を言えない人でも、「それが自分の役割」だと分かると、驚くほど発言しやすくなります。
「許可」があるだけで、人は行動できるようになるのです。
5. 完璧な英語より大切な「つながり」
多くの日本人クライアントは、「完璧な英語で話したい」と考えています。
でも、それがかえって足かせになることがあります。
正しい表現や、準備した原稿を一字一句間違えずに話そうとするあまり、目の前の相手とのつながりを忘れてしまうのです。
人の心を動かすのは、完璧な文法でも難しい単語でもありません。
「この人は私に関心を持ってくれている」、そう感じてもらえることです。
最も大切なのは、英語をスラスラ話すことではなく、聴衆と「つながる」ことなのです。
少し考えてみませんか?
この5つの中で、今のあなたに一番響いたのはどれでしたか?
もしかすると、「できない」と思っていることの中に、本当は「やらない」と決めているだけのものがあるかもしれません。
もし、その思い込みを手放せたら、何が変わるでしょうか。

バーンアウトや女性のリーダーシップ、そして私の著書のプレゼント企画についてもお話ししているインタビュー全編(約36分)は、LinkedInでご覧いただけます。
ぜひご覧いただき、感想をコメントで教えていただけたら嬉しいです。
Jason Chueiについて
Helenにインタビューを行ったJason Chueiは、エグゼクティブサーチおよびタレントアドバイザリーを専門とする受賞歴のあるグローバル・ブティックファーム、Bentley Lewis のアジア太平洋地域(APAC)統括マネージング・パートナーです。Bentley Lewisは、企業が卓越した人材を見つけることを支援しており、優れた採用は最終的には「的確な判断」「信頼関係」、そして「人と人との真のつながり」によって実現されると考えています。
よくあるご質問
「できない」は、本当に「できない」のでしょうか?
私たちが「発言できない」「リーダーシップを発揮できない」「自信を持ってコミュニケーションできない」と感じるとき、その多くは事実ではなく、自分で選んでいることかもしれません。もちろん、本当に身体的に不可能なこともあります。でも、日々の中で感じる多くのためらいや制限は、実は「できない」のではなく、「やらない」という選択をしているだけの場合があります。この違いに気づくことは大切です。なぜなら、「制限」だと思っていたものが「選択」に変わるからです。そして、選択には主体性が伴います。「自分にはどうすることもできない」と感じるのではなく、「自分で選び、行動できる」と気づくことで、自分自身の人生やキャリアに責任を持って向き合えるようになるのです。
自信が先か、実践力が先か?
通常は、実践力が先です。練習を重ねることで「できる」という実感が生まれ、そこから自信が育っていきます。もちろん、最初から心の中で自信を感じている必要はありません。外側から自信を持って見えるように話したり、行動したりするための技術を身につけることはできます。そして、そうした姿勢によって周囲からより良い反応が返ってくることで好循環が生まれ、少しずつ本当の自信へとつながっていくのです。
「パンチのある」コミュニケーションをするにはどうしたら良いのでしょうか?
より多くの力や情報を加えることではなく、必要のない努力や意識を減らすことで、コミュニーションを「パンチのある」ものにかえられます。武道では、力みすぎたパンチよりも、リラックスして素早く繰り出すパンチのほうが大きな威力を発揮します。ビジネスコミュニケーションも同じです。不要な身体的な負担(働きすぎ)、精神的な負担(考えすぎ)、感情的な負担(相手の反応を気にしすぎること)を減らすことで、伝わる力が弱まるのではなく、むしろ相手に与えるインパクトは大きくなります。
なぜチームは、会議で意図的にアイデアに異議を唱える役割を置くのでしょうか?
「チャレンジャー(挑戦する人)」という明確な役割を設定することで、調和を重視する文化、例えば伝統的な日本や英国の職場文化においては特に、メンバーが安心して意思決定に疑問を投げかけられるようになります。普段なら自分から反対意見を言うことをためらう人でも、それが正式に任された役割であれば、より積極的に意見を出せるようになります。なぜなら、「場の空気を乱してしまうのではないか」いいえ。大切なのは、完璧な文法や語彙よりも、相手とのつながりです。英語を母語としない多くの人は、「正しいことを言わなければ」と意識するあまり、目の前にいる相手と本当に向き合うことを忘れてしまうことがあります。しかし、人が心を動かされるのは、完璧な英語を聞いたときではありません。「この人は自分に本当に関心を持ってくれている」と感じたときです。効果的なコミュニケーションで大切なのは、間違いのない英語を話すことではなく、相手との信頼関係を築くことなのです。
ビジネス英語における完璧主義や、台本を一語一句準備しすぎるといった習慣を手放すために、コーチングは役立つのでしょうか?
はい。コミュニケーションスキルに精通し、さらに異文化への理解を持つコーチと取り組むことで、専門家は「すべての言葉を完璧に言うこと」から、「相手と本当につながること」へ意識を移すことができます。コーチングでは、考え方(マインドセット)、伝える内容、話し方や届け方についてのフィードバックを受けながら、会議やプレゼンテーションなど実際のビジネス場面を想定した練習を行います。そのプロセスを通じて、正しい英語を話すことだけに意識を向けるのではなく、相手に伝わり、影響を与えるコミュニケーションへと変えていくことができます。